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【開催日】:2003年11月07日〜11月18日

【来客人数】:延べ680人

【イベント概要】:ジャンク菓子やら芸能人の裏ネタやら、今やすっかり「クズ情報趣味」に堕ちてしまった感のある日本のサブカルだが、いまだに「アンチ体制派」としての対抗文化が生きているのがアメリカ西海岸だ。スケボーもグラフティも日本ではスタイルだけ真似る者が多いが、アメリカ西海岸の対抗文化は、体制にアンチを主張するための武器であり続けている。ニュースクール系タトゥーの彫師として知られるエイドリアン・リーもそのひとり。タトゥー以外にもグラフティやフィギュア「反プロパガンダ・プロパガンダ」と名付けた街頭アートなど、あらゆる手段で過激にアジテーションし、「アンチ体制」を貫いている。今回展示される作品は、西海岸の情報産業やメディア、政府に操作される大衆の姿を皮肉ったもので、50枚にも及ぶ長大な連作絵画。当人も全部まとめて見たことがないらしく、全体の構想を放棄して意識の流れの赴くままに描くその手段は、バロウズやビートニックの手法に通じるものがあると俺は思う。スタイルだけ真似るのなら誰にでもできる。どうせ何かを真似るんだったら、こういうスピリットをこそ真似て欲しい。 TEXT (樋口ヒロユキ)